昔NHKの番組だったか、アマゾンの酒つくりを見た。
ユカというイモの皮をむいて、それを女の人が噛み噛み、クチャクチャ噛んでから、
ペッ!と口からツボに吐き出していた。
横に座ったお婆さん(母親)や少女(娘)も、クチャクチャ噛んで同じつぼに吐き出していた。
一家の女の仕事だった。家によって、でき具合いが違うようだ。
噛み加減の違いかな?(笑)
このつぼの中で、唾液の菌でイモを発酵させて酒にするということだ。「ツボ酒」だな。
アマゾン源流に近いジャングルで釣りをしているとき、小さなカヌーを岸につけて、
食糧の魚を釣っている夫婦にいき会った。
奥さんの方は、なんと釣りポイントを探しくれるジャングルガイドのWくん(仮名:ワンベルト)のお姉さんだそうだ。
ご主人は元関取の曙に似ていた。
Wくんは、顔は小川直也(元レスラー)に似ていて、体は藤田和之(元レスラー)だ。
いかにも強そうで心強かった。
怒らせたら手にあるマシェット(マチェット、数10cmの山刀)で、一瞬にして首を飛ばされそうだ。
・・・なんてことはなかった(笑)
ジャングルで生まれ育ち、7年間従軍したあとカヌー造りをしている。2人娘の優しい父親だ。
たまたま帰省した従軍中の弟くんにも会ったが、いい男だが、やはり表情と体つきは見事だ。
Wくんは、我々のカヌーを姉さんのカヌーに横付けして、にこやかに談笑が始まった。
姉さんの前に茶色いツボがあり、ふたがされていて中は見えないが、
姉さんは、ツボの横にあった木のおわんを手にとり、つぼのふたをとった。
中に白いものが見えた。甘酒のように思えた。もしや!これは!!
昔テレビで見たあの「ツボ酒」が・・・、何十年ぶりにその作り方が脳裏を横切った。
ツボからすくってくれたおわんの「甘酒」を見たとき、思った。
きっとヨーグルト系の味や、ひょっとしてヨーグルト系の匂いが・・・
冷えていない常温のどろどろ酒を、30℃を超える炎天下でのんだら・・・
鼻に近づけただけで、ウっ!とならないか・・・
何くわない顔で口にもっていった。匂いはなかった。
口に入れたが、イモのぶつぶつらしきものが当たったが、味に特徴的なものは感じなかった。
やはり遠くでヨーグルト系の酸味を感じた。
アルコール度数はあまり感じなかった。
常温にもかかわらず、飲んだあとは妙に「爽やかな感じ」が残った。
すごく不思議な感覚だった。
Wくんは一気飲みで3杯飲んでいた。
こっちは1杯を3回くらい分けて、おそるおそる飲んだ。
飲んで顔をあげると、そこには姉さんの顔がこっちを見ている。
(この姉さんが噛み噛み、クチャクチャして作ってくれたイモ酒なんだ・・・)
感謝しつつ、ビミョーな心境で、姉さんの顔を見つつゴチになった。
後にも先にも、ユカのクチャクチャ酒に出合うことはなかった。
町からかなり遠い地域でしか作っていないんだな。
Wくんの実家の庭から撮った。
対岸から未知の部族(イゾラド)が出てきそうだが・・・、いないそうだ。
結構奥地まで行ったときでも、この辺にはいないと言っていた。
Wくんの実家の姪っ子ちゃん
お昼寝中に起こしてしまってゴメン。
今頃は、親と一緒にイモを噛み噛みしているのかな?
(年頃からすると、アマゾネスになっている頃だな)
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