「かくて、陽はまた昇る」by 開高健

開高健さんはサントリーの前身「寿屋」のコピーライターだった。
開高さんが作ったコピーのなかで一番好きなのが、「かくて、陽はまた昇る」
(昭和54年12月「サントリー」放送広告)

『ニューヨーク。・・・
ハドソン河にはチョウザメが泳ぎ、ロング・アイランドの渚では何んとカブトガニがうようよしているのだ。
そして自由の女神の足元で、ブルックリンの団地の鼻さきでブルーフィッシュが釣れるのだ。
ストライプド・バスが釣れるのだ。・・・ 』(開高健 ALL MY TOMORROWSⅣ)

このCMでは開高さんの手にはウイスキーグラス。サントリーローヤルのCMだったと思う。
今から40年前のこと。
ニューヨーク・ハドソン河の状況は、今どうなんだろうか?

開高さんはサントリーのテレビ広告でアラスカで旗を振って電車を停車させていた、と思う。
「フラッグ・ストップ」といって乗りたい人が旗を振って電車を止めるというもので、
現在もこのシステムはあるらしい。

人間の記憶というものはいい加減だ(自分のこと)
フラッグ・ストップを開高さんが実際にやっていたのをテレビ広告で見たという確信がない。
多分やっていて、ウイスキーを飲んでいたような、そんな程度の記憶だ。

どうしても気になってユーチューブで探してみるとなんとあった。
少年が腰に水筒をぶら下げるようにウイスキーオールドをぶら下げ、グビっと飲んでいた。
日の丸と星条旗を振って電車を止めていた。
1980年頃であった。

長い間、胸につかえていたものがとれた。
心にぐっとくるCMだ。
(いい夢に、乾杯!!)


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